n8n と Make の料金比較:実行回数とクレジットの数え方の違いを、同じ処理で試算

1時間ごとの確認なら、Make の消費が月20,000クレジットに収まる1日数百件までは Make Core、1日1,000件ほどになると n8n Starter が安くなります。同じ処理で試算しました。

(2026年10月17日更新)

業務自動化の受託をしているエンジニアとして、n8n(セルフホスト版 2.43.7)で kintone → Chatwork 通知を、公式の API 仕様に沿った模擬サーバーで動かして確かめた内容です。Make は使っておらず、公式情報を確認した解説です。

受託でツールを選ぶときも、最初に聞くのは「1日に何件、どれくらいの間隔で処理したいか」です。料金表だけでは決まらず、件数と間隔を当てはめて初めて比べられます。

結論:1日数百件までは Make Core、それを超えると n8n が安い

下の試算は、1時間ごとに新しいレコードを確認する作りで、年払いの価格で比べたものです。

  • 1日およそ320〜640件まで(Make の消費が月20,000クレジットに収まる範囲)は、Make Core のほうが安いです。1日10件・100件なら、Make Core(年払い $9、約1,350円)で足ります。n8n Cloud Starter(年払い 20€、約3,300円)より安くなります
  • それを超えて1日1,000件ほどになると、n8n Starter のほうが安いです。n8n は何件処理しても「1回の実行で1回」と数えるため、件数が増えても回数は変わりません
  • 幅があるのは、Make の分割モジュールが件数分クレジットを使うかを、公式で確認できていないためです(後述)
  • 確認の間隔を15分ごとに縮めると、n8n は Pro が必要になり、1日1,000件でも Make のほうが安いか同程度になります
  • 社内にサーバーを保守できる人がいるなら、無料のセルフホスト版 n8n が合う場合もあります(後述)

料金の基本(2026-10-16 時点)

円換算は1ユーロ=165円、1ドル=150円で換算した概算です(2026-10時点)。税・為替手数料は含みません。

n8n Cloud(ユーロ建て)

プラン 年払い時の月額 円換算 月払いの月額 円換算 実行回数/月
Starter 20€(billed annually) 約3,300円 24€(billed monthly) 約3,960円 2,500
Pro 50€(billed annually) 約8,250円 60€(billed monthly) 約9,900円 10,000

(出典: n8n 料金ページ、2026-10-16 確認)

  • Business プランはセルフホスト専用で、Cloud にはありません
  • n8n はワークフローを1回動かすと1回と数えます。中の処理が何ステップでも、何件処理しても1回です
  • Cloud で月の上限に達すると、それ以降の実行は待たされずにエラーで失敗します。上限は暦月の初めに戻り、失敗した実行は回数に数えません(出典: n8n サポート記事、2026-10-16 確認)
  • Cloud は14日間の無料試用があり、試用中の上限は1,000実行です(出典: n8n Docs「Cloud free trial」、2026-10-16 確認)

Make(ドル建て)

月10,000クレジットを選んだときの価格です。

プラン 年払い時の月額 円換算(年払い) 月払いの月額 円換算(月払い)
Free $0(月1,000クレジット) 0円 $0 0円
Core $9 約1,350円 $10.59 約1,590円
Pro $16 約2,400円 $18.82 約2,820円
Teams $29 約4,350円 $34.12 約5,120円

(出典: Make 料金ページ、2026-10-16 にブラウザで確認)

クレジットを増やすと価格も上がります。段は 10,000 → 20,000 → 40,000 → 80,000 → 150,000 で、60,000 の段はありません。

クレジット/月 Core 年払い 円換算 Core 月払い 円換算
10,000 $9 約1,350円 $10.59 約1,590円
20,000 $16 約2,400円 $18.82 約2,820円
40,000 $29 約4,350円 $34.12 約5,120円
80,000 $55 約8,250円 $64.71 約9,710円

10,000 クレジットの年払いの価格(Core $9・Pro $16・Teams $29)は、2026-10-17 に公式の料金ページで確認しました。20,000 クレジット以上の段と月払いの価格は、契約の前に公式の料金ページ(クレジット数のスライダーと支払い方法の切り替え)でご確認ください。

(出典: Make 料金ページのスライダー、2026-10-16 確認)

  • Make はモジュール(処理の1部品)が1回動くと1クレジットが基本です(出典: Make ヘルプ「Credits」)
  • クレジットが尽きると、シナリオ(Make の自動化の単位)は止まります(出典: Make 料金ページ FAQ)

同じ処理で数えてみる:kintone → Chatwork 通知

n8n で実際に動かしたのは、次の4ノードのワークフローです。ノードは処理の1ステップのことです。

  1. 手動で実行(本番ではスケジュール実行に置き換え)
  2. HTTP Request で kintone から「ステータスが新規」のレコードを取得
  3. Code でレコードを1件ずつに分ける
  4. HTTP Request で Chatwork に投稿

テスト用のレコード2件に対して、Chatwork への投稿が2回送られたことを確かめました(模擬サーバーで検証)。手順は「n8n で kintone の新規レコードを Chatwork に通知する手順」にまとめています。

Make で同じことをするなら、Make の kintone アプリ(Verified)のトリガー「Watch Records」で新しいレコードを受け、Chatwork アプリの「Create a Room Message」で投稿する作りが自然です。この作りなら分割のモジュールは要りません。

Make の数え方で、公式に確認できたのは次の点です(出典: Make ヘルプ・Academy、2026-10-16 確認)。

  • トリガーは、返すデータの件数によらず1回で1クレジット
  • 定期実行で新しいデータがない回も、トリガーは1クレジットを使う
  • アクション(投稿など)は、処理するデータ1件ごとに1クレジット
  • 分岐(Router)とエラー処理は数えない
n8n Make(未検証の見積もり)
数える単位 ワークフローの実行1回 モジュールの実行1回
新しいレコードの確認 数えない 1(件数によらず)
1件ずつに分ける 数えない Watch Records なら不要。HTTP+分割(Iterator)で組むなら件数分かもしれない(未確認)
Chatwork に投稿 数えない 2(2件分)
合計(2件の場合) 1 execution 3〜5クレジット

Make の数字は公式の数え方を当てはめた計算で、Make では動かしていません。下限の3は kintone アプリで組んだ場合です。上限の5は、HTTP で取得して分割(Iterator)を使い、分割が件数分クレジットを使うと仮定した場合です。分割の数え方は公式ページで確認できませんでした。

月の件数別の試算

前提は「1時間に1回確認(1日24回、月30日で720回)」です。どちらも、新しいレコードがない回も数えます。

自分の件数で見積もる式

  • n8n の実行回数 = 月の確認回数(件数によらず一定。1時間ごとなら720回)
  • Make の下限 = 月の確認回数 + 月の件数 × 1(投稿)
  • Make の上限 = 月の確認回数 + 月の件数 × 2(分割と投稿。分割の数え方は未確認)

モジュールを足せば、そのぶん「月の件数 × モジュールの数」が増えます。Make はシナリオに置いたモジュールの数と件数の掛け算で考える、と覚えておくと見積もりやすくなります。

1日の件数 月の件数 n8n の実行回数 n8n の月額(年払い) Make のクレジット(下限〜上限) Make の月額(年払い) 安いほう
10件 300件 720 Starter 約3,300円 1,020〜1,320 Core 10,000 約1,350円 Make
100件 3,000件 720 Starter 約3,300円 3,720〜6,720 Core 10,000 約1,350円 Make
300件 9,000件 720 Starter 約3,300円 9,720〜18,720 Core 10,000〜20,000 約1,350〜2,400円 Make
500件 15,000件 720 Starter 約3,300円 15,720〜30,720 Core 20,000〜40,000 約2,400〜4,350円 作り方しだい
1,000件 30,000件 720 Starter 約3,300円 30,720〜60,720 Core 40,000〜80,000 約4,350〜8,250円 n8n

(月払いでも安いほうは変わらない。円換算は1ユーロ=165円、1ドル=150円。税・為替手数料は含まない)

どちらが安いかの分かれ目

  • n8n Starter(約3,300円)は、Make Core の 20,000 クレジットの段(約2,400円)より高く、40,000 の段(約4,350円)より安い位置にあります
  • そのため、Make の消費が月20,000クレジットに収まるなら Make Core、超えるなら n8n Starter が安い、が分かれ目です
  • 1時間ごとの確認なら、20,000 から確認の720を引いた分が件数に使えます。1件1クレジットなら1日およそ640件、1件2クレジットなら1日およそ320件までです
  • n8n 側は、1回の実行で複数件をまとめて処理する作りが前提です。1件ごとにワークフローを動かす作り(Webhook で1件ずつ受けるなど)では、n8n も件数と同じ回数を数えます
  • 月払いで比べても、分かれ目は同じ20,000クレジットです。n8n Starter は24€(約3,960円)で、Make Core の 20,000 の段($18.82、約2,820円)より高く、40,000 の段($34.12、約5,120円)より安くなります

Make の Free(月1,000クレジット)に収まる条件

1時間ごとの確認だけで、月720クレジットを使います。1日10件(月300件)でも、合計は1,020以上になり Free を超えます。

Free に収まりやすいのは、次のような場合です。

  • 確認の間隔を延ばす(1日1回なら確認は月30クレジット)
  • kintone の Webhook で、レコードが追加されたときだけ受け取る作りにする。受信1回は1クレジットと読めますが、それを明記した公式の文は確認できていません。1件あたり2〜3クレジットなら、月300〜500件ほどまでが目安です

実行の間隔にも注意

n8n は件数ではなく実行回数で数えるため、間隔を短くすると回数が増えます。15分ごとなら1日96回、月2,880回です。Starter の2,500を超えるので、Pro(約8,250円)が必要になります。

同じ15分ごとでも、Make は確認が月2,880クレジットになるだけです。1日1,000件でも 32,880〜62,880 で、Core 40,000〜80,000 の段(約4,350〜8,250円)に収まります。15分ごとに確認するなら、1日1,000件でも Make のほうが安いか同程度です。

なお、Make の無料プランは最短の実行間隔が15分、有料プランは最短1分です(出典: Make Academy、2026-10-16 確認)。

大量の通知で気をつけること

1日1,000件を1時間ごとに処理すると、1回あたり40件ほどを続けて投稿します。これは Chatwork 側の制限にかかるおそれがあります。投稿は「同じルームへの投稿とタスク作成の合計で10秒あたり10回」までです(出典: Chatwork API ドキュメント、2026-10-16 確認)。件数が多いときは、複数件を1通にまとめる設計も検討してください。まとめれば、Make の投稿分のクレジットも減ります。

どちらが向くか

状況 向くもの
1日数百件まで(Make の消費が月20,000クレジット以内) Make Core
1日1,000件ほど以上を、1時間ごとなどにまとめて処理する n8n Cloud Starter
15分ごとなど、短い間隔で何度も確認する 試算してから選ぶ(n8n は回数が増え、Pro が必要になりやすい)
月の件数が少なく、確認を1日数回にできる Make(まず Free で試す)
kintone・Chatwork を画面の部品だけでつなぎたい Make(kintone・Chatwork の「Verified」アプリがある)
社内にサーバーを保守できる人がいる n8n セルフホスト版(無料)

n8n には kintone・Chatwork の組み込みノードがありません。HTTP Request ノードで API を直接呼びます(出典: n8n の GitHub リポジトリ、2026-10-16 確認)。一方、Make には kintone と Chatwork の「Verified」のアプリがあります(出典: Make Integrations、2026-10-16 確認)。

どちらも無料で試せます。n8n Cloud は14日間の試用で実際の実行回数を、Make は Free のままで実際のクレジット消費を確かめられます。公式サイトは n8n(https://n8n.io/)、Make(https://www.make.com/)です。

セルフホスト版のほうが合う場合

次の方には、無料のセルフホスト版 n8n(Community Edition)が合います。

  • Docker などでサーバーを立て、更新やバックアップを続けられる人が社内にいる
  • 自社の業務のために使う(ライセンス上、社内利用は認められています)
  • 実行回数を気にせず、細かい間隔で動かしたい

Community Edition はライセンスキーなしで動く無料版です。ただし、ワークフローの共有や SSO など一部の機能はありません(出典: n8n Docs「Community Edition features」、2026-10-16 確認)。サーバー代と保守の手間は自分で持つことになります。他社向けに有償で提供する場合は、公式のライセンス条件を確認してください。詳しくは「n8n Cloud とセルフホスト版、どちらを選ぶか」で比べています。

まとめ

  • n8n は「実行1回で1」、Make は「モジュール1回で1クレジット」と数えます
  • 1時間ごとの確認なら、1日数百件までは Make Core のほうが安く、1日1,000件ほどになると n8n Starter のほうが安くなります
  • 分かれ目は「Make の消費が月20,000クレジットに収まるか」です。確認の間隔を短くすると、n8n の回数も増えます
  • 保守できる人がいれば、無料のセルフホスト版 n8n も選択肢です

実際の件数で試すなら、n8n Cloud の14日間の無料試用か、Make の無料プランから始められます。

参考にした公式情報

料金の試算と構築のご相談

自社の件数と間隔で、どのツール・どのプランが合うかを試算したい方はご相談ください。合同会社frectas では、処理したい業務の件数と頻度を確かめたうえで、n8n・Make・GAS などから合うものを選び、構築と運用まで担当します。お問い合わせからご連絡ください。

よくある質問

n8n と Make はどちらが安いですか?

件数と確認の間隔で決まります。1時間ごとに確認する作りなら、Make の消費が月20,000クレジットに収まる1日およそ320〜640件までは Make Core、1日1,000件ほどになると n8n Cloud Starter のほうが安い試算です(2026-10-16 時点の価格)。

n8n の実行回数と Make のクレジットは何が違いますか?

n8n はワークフローを1回動かすと1回と数え、何件処理しても増えません。Make はモジュールが1回動くごとに1クレジットが基本で、定期実行で新しいデータがない回もトリガーが1クレジットを使います。

確認の間隔を短くするとどうなりますか?

n8n は実行回数が増えます。15分ごとなら月2,880回で Starter の2,500回を超え、Pro が必要になります。その場合は1日1,000件でも Make のほうが安いか同程度になります。

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