n8n で kintone の新規レコードを Chatwork に通知する手順【HTTP Request ノードで組む】

n8n には kintone・Chatwork のノードがないため、HTTP Request ノードで API を直接呼びます。トークンの発行から定期実行での二重通知の防ぎ方まで、検証した手順です。

(2026年10月17日更新)

業務自動化の受託をしているエンジニアとして、n8n(セルフホスト版 2.43.7。2026-10-16 時点の最新の安定版)を Docker で動かして確かめた手順です。最初に 1.121.0 で検証し、2.43.7 でも同じ結果になりました。kintone・Chatwork の API は公式ドキュメントで仕様を確認し、送信内容は模擬サーバーで検証しました。本物の kintone・Chatwork には接続していません。

結論

  • n8n には kintone・Chatwork の組み込みノードがありません。HTTP Request ノード(任意の API を呼ぶ汎用ノード)で API を直接呼びます(出典: n8n リポジトリのノード一覧、2026-10-16 確認)
  • kintone はライトコースでは API を使えません。スタンダードコース以上が必要です(出典: kintone 料金ページ、2026-10-16 確認)
  • Chatwork への投稿は、本文を JSON ではなく form 形式(body=…) で送ります(出典: Chatwork API リファレンス、2026-10-16 確認)
  • 定期実行で組むなら「通知済み」の印を kintone に書き戻すのが確実です。登録の瞬間に通知したいなら kintone の Webhook を使います(別記事)

検証の範囲

区分 内容
セルフホストで確かめたこと(2.43.7・1.121.0) kintone へのレコード取得リクエスト、Chatwork への投稿リクエストの中身、レコード2件で投稿が2回送られること、トークン誤りのときのエラー表示
公式情報で確認しただけのこと kintone・Chatwork の API 仕様(レコード更新 API を含む)、料金、レート制限、API トークンの発行画面
確かめていないこと 本物の kintone・Chatwork への接続、n8n エディタ画面での操作、n8n からの通知済みフラグの書き戻し、Schedule Trigger での定期実行

準備するもの

もの 条件
kintone スタンダードコース以上(ライトは API 非対応)
Chatwork API トークン。フリープランでも API を使える。組織契約では組織管理者への申請が必要
n8n セルフホスト版、または n8n Cloud

Chatwork のフリープランでも、API は「ご利用可能」とされています(出典: Chatwork ヘルプ「フリープランの制限は?」、2026-10-16 確認)。

手順1: kintone の API トークンを発行する

kintone の API トークンは、アプリごとに発行する合言葉のような文字列です。リクエストのヘッダー X-Cybozu-API-Token に入れて使います(出典: kintone REST API 認証、2026-10-16 確認)。

  1. 通知したい kintone アプリの[レコードの一覧]画面を開き、右上の[アプリを設定](歯車)を押す
  2. [設定]タブの[カスタマイズ/サービス連携]にある[APIトークン]を開く
  3. [生成する]を押す
  4. [アクセス権]の「レコード閲覧」にチェックを入れる(手順6の方法Aを使うなら「レコード編集」も入れる)
  5. [保存]を押し、[アプリを更新]を押す
  6. 表示されたトークンを控える

(出典: kintone ヘルプ「APIトークンを生成する」、2026-10-16 確認)。トークンは1アプリ20個まで、ライトコースでは使えません。トークンのアクセス権は、アプリやレコードのアクセス権より優先されます。必要な権限だけを付けてください。

手順2: Chatwork の API トークンを発行する

  1. Chatwork の画面右上の利用者名をクリックする
  2. 「サービス連携」を開く
  3. 左メニューの「APIトークン」を開き、トークンを控える

(出典: Chatwork API はじめに・Chatwork ヘルプ、2026-10-16 確認)。トークンを「再発行」すると、以前のトークンはすべて無効になります。Chatwork のトークンに有効期限はなく、すべての機能にアクセスできます。扱いには注意してください。

手順3: n8n に Credentials を登録する

Credentials は、トークンなどの秘密の値を n8n に保管する機能です。ワークフローに直接書かずに済み、JSON を共有するときの漏れも防げます。

  1. n8n の HTTP Request ノードを開き、Authentication で「Generic Credential Type」を選ぶ
  2. 種類に「Header auth」を選び、新しい Credential を作る(項目は Name と Value。出典: n8n Docs HTTP Request credentials、2026-10-16 確認)
  3. kintone 用は、Name に X-Cybozu-API-Token、Value に手順1のトークンを入れる
  4. Chatwork 用も同じように作る。Name は X-ChatWorkToken、Value は手順2のトークン

ヘッダー名は大文字・小文字を区別しないので、Chatwork のドキュメントの小文字表記 x-chatworktoken でも同じです。

手順4: ワークフローを組む

構成は4ノードです。

順 ノード 役割
1 Manual Trigger(あとで Schedule Trigger に替える) 実行の起点
2 HTTP Request kintone からレコードを取得
3 Code 取得結果をレコードごとに分ける
4 HTTP Request Chatwork に投稿
  1. 2つ目のノードを、Method「GET」、URL https://(サブドメイン).cybozu.com/k/v1/records.json にする
  2. Query Parameters に app(アプリ ID)と query を足す。例: ステータス in ("新規") order by $id asc limit 100
  3. Authentication に手順3の kintone 用 Credential を選ぶ
  4. 3つ目の Code ノードに、records を1件ずつに分けるコードを書く(配布する JSON に入っています)
  5. 4つ目のノードを、Method「POST」、URL https://api.chatwork.com/v2/rooms/(ルームID)/messages にする
  6. Body Content Type を「Form Urlencoded」にし、名前 body、値に通知文を入れる
  7. Authentication に Chatwork 用の Credential を選ぶ

kintone のレコード取得は一度に500件まで、limit の初期値は100件です。offset の上限は10,000件です(出典: kintone REST API レコード取得、2026-10-16 確認)。

検証で確かめたこと

模擬サーバーで受けたリクエストは次のとおりでした。

  • kintone へ: GET /k/v1/records.json?app=1&query=… に X-Cybozu-API-Token ヘッダーが付いた。クエリは自動で URL エンコードされた
  • Chatwork へ: POST /v2/rooms/12345/messages、Content-Type: application/x-www-form-urlencoded、本文 body=[info][title]…[/title]会社名: テスト商事…[/info]
  • レコード2件に対して、Chatwork への投稿が2回送られました。 n8n のノードは、前のノードから来たアイテム(データの行)ごとに1回ずつ動きます。ループを自分で組む必要はありません

[info] [title] は Chatwork の装飾タグで、枠つきの見出しで表示されます。

手順5: ワークフロー JSON を使う

検証に使ったワークフローを配布しています。

  1. n8n のエディタで新しいワークフローを開く
  2. 右上のメニュー(…)から「Import from File」を選び、JSON を読み込む
  3. URL・アプリ ID・ルーム ID を自分の値に書き換える
  4. 2つの HTTP Request ノードの Authentication を、手順3の Credential に付け替える

配布 JSON は検証の都合で、URL とトークンを環境変数($env)から読む形です。n8n は既定で $env を式から読ませないため、そのままでは ExpressionError: access to env vars denied で止まります(2.43.7・1.121.0 で確認)。実運用では手順4のとおり、URL は直接入力し、トークンは Credentials に替えてください。なお、n8n から書き出した JSON には Credential の名前と ID が含まれます。人に渡す前に消してください(出典: n8n Docs Export and import、2026-10-16 確認)。

手順6: 定期実行にして、二重通知を防ぐ

Manual Trigger を Schedule Trigger(決まった間隔で実行するノード)に替え、ワークフローを保存して公開(publish)すると自動で動きます。n8n 2.0 以降は、有効化を「公開」と呼びます(出典: n8n Docs Schedule Trigger、2026-10-16 確認)。タイムゾーンは、ワークフローの設定がなければインスタンスの設定に従います。セルフホストの既定は America/New_York なので、日本時間で動かすなら設定を確認してください。ただし、このままでは実行のたびに同じ「新規」レコードが通知されます。防ぎ方は2つです。

方法A: 通知済みの印を kintone に書き戻す

  1. kintone アプリに「通知済み」のチェックボックスなどのフィールドを足す
  2. 取得の query に「通知済みでないもの」という条件を足す
  3. Chatwork への投稿のあとに HTTP Request ノードを足し、kintone のレコード更新 API でそのレコードの「通知済み」を更新する

レコード更新 API は PUT https://(サブドメイン).cybozu.com/k/v1/record.json で、Content-Type: application/json です。本文には app(アプリ ID)、id(レコード ID)、record(更新するフィールド)を入れます。API トークンで認証できます(出典: kintone REST API「1件のレコードを更新する」、2026-10-16 確認)。API トークンには「レコード編集」の権限が要ります。

API の仕様は公式ドキュメントで確認しましたが、n8n からの書き戻しは本記事では検証していません。 テーブル(表)のフィールドを更新するときは、既存の行をすべて含めて送らないと、含めなかった行が消えます。「通知済み」はテーブルの外のフィールドにしてください。

方法B: kintone の Webhook を使う

kintone の Webhook は、レコードが追加された瞬間に n8n を呼び出せます。定期実行が要らず、二重通知も起きにくくなります。ライトコースでは使えません。手順は「kintone の Webhook を n8n で受けて Chatwork に通知する」で、検証結果つきで解説しています。

実行間隔と回数の目安

n8n Cloud は、1回のワークフロー実行を1 execution と数えます。ステップ数では増えません(出典: n8n 料金ページ、2026-10-16 確認)。定期実行は、新しいレコードがなくても実行のたびに数えられます。

間隔 30日の実行回数(計算値)
5分ごと 8,640回
15分ごと 2,880回
30分ごと 1,440回

n8n Cloud の Starter は月2,500 executions で「20€ /mo, billed annually」(年払い時の月額)です。1ユーロ=165円で換算すると約3,300円です(2026-10時点の概算。税・為替手数料は含みません)。15分ごとでも Starter の上限を超える計算です。間隔を空けるか、方法B の Webhook を検討してください。

Cloud で月の上限に達すると、その後の実行はエラーで失敗し、通知は送られません。上限は暦月の初めに自動でリセットされます(出典: n8n サポート記事、2026-10-16 確認)。

セルフホスト版には実行回数の課金がありません。社内のサーバーや常時起動の PC を用意できるなら、セルフホストで十分です。サーバーを管理したくない場合は n8n Cloud が選択肢になります。14日間の無料試用があり、上限は1,000 executions です(出典: n8n Docs Cloud free trial、2026-10-16 確認)。どちらにするかは「n8n Cloud とセルフホスト版、どちらを選ぶか」で比べています。

kintone 側にも上限があります。スタンダードコースは1アプリにつき1日10,000リクエストです(出典: kintone REST API 共通仕様、2026-10-16 確認)。5分ごとの取得なら1日288回なので、余裕があります。

うまく動かないとき

症状 原因と対処
401 - {"code":"CB_WA01"} で止まる kintone の認証エラーです。トークンの値、アプリ ID、トークンの権限を見直す(検証で同じ表示を確認)
Chatwork に届かない・エラーになる 本文を JSON で送っていないか確認する。form 形式の body が必須です
Chatwork で 429 が返る レート制限です。API 全体で5分あたり300回、同じルームへの投稿とタスク作成の合計で10秒あたり10回まで。一度に多く通知するなら、HTTP Request ノードの Options にある Batching で間隔を空ける方法があります(本記事では画面で未確認)
kintone のコミュニティノードを使いたい n8n-nodes-kintone・n8n-nodes-chatwork はありますが、どちらも各社公式の配布ではありません。本記事は HTTP Request ノードで組む方法を主にしています

まとめ

  • n8n に kintone・Chatwork の組み込みノードはないため、HTTP Request ノードで API を呼びます
  • kintone はスタンダードコース以上、Chatwork は form 形式の body で投稿します
  • トークンは Credentials に保管し、配布 JSON の値は書き換えて使ってください
  • 定期実行は二重通知と実行回数に注意します。登録の瞬間に通知したいなら Webhook が向いています

n8n Cloud を試すなら、n8n Cloud の14日間の無料試用から始められます。

参考にした公式情報

(いずれも 2026-10-16 確認)

kintone 連携のご相談

kintone に入った問い合わせや受注に気づくのが遅れる、通知の文面や送り先を部署ごとに分けたい、という方はご相談ください。合同会社frectas では、n8n・GAS などから業務に合う方法を選び、通知の仕組みを組んで、運用の引き継ぎまで担当します。お問い合わせからご連絡ください。

よくある質問

n8n に kintone や Chatwork のノードはありますか?

組み込みノードはありません。HTTP Request ノード(任意の API を呼ぶ汎用ノード)で API を直接呼びます。個人が公開しているコミュニティノードはありますが、各社公式の配布ではありません。

kintone のライトコースでも API を使えますか?

使えません。API トークンや Webhook を使うには、スタンダードコース以上が必要です(2026-10-16 確認)。

Chatwork への投稿がエラーになります

本文を JSON で送っていないか確認してください。Chatwork のメッセージ投稿は、form 形式(body=…)で送ります。

定期実行で同じレコードが何度も通知されます

通知済みの印を kintone に書き戻し、取得条件で除く方法が確実です。登録の瞬間に通知したいなら、kintone の Webhook を使う方法もあります。

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