設備メーカーの図面の読み取りを、PoC から本番まで

建物の図面 PDF から、部屋ごとの名前・面積・寸法などを抜き出して Excel の入力シートに出す仕組み。PoC を全ページの棚卸しからやり直し、生成 AI が大まかになぞって図面の線に吸着させる方式を検証した。

業種
設備メーカー
期間
2026年7月〜
担当範囲
PoC〜本番への反映
状況
本番に反映済み
技術
Next.js、Hono、Python/FastAPI、Claude API、Azure Container Apps、PostgreSQL、Terraform
この案件での業務の流れAIAI が担う手順人人が確認・判断する手順
  1. 図面 PDF を読み込む
  2. 人担当者が室名の候補を確認
  3. 選んだ部屋の輪郭と床面積を出す
  4. 人保存し、必要なら手で修正
  5. Excel の入力シートに出力

図面から、部屋ごとの値を書き写していた

建物の設計図面には、平面図・立面図・断面の詳細図・仕様書がある。部屋ごとに、用途・階・名前・部屋の条件・高さと、壁・天井・床ごとの隣の部屋と寸法を読み取り、Excel の入力シートへ手で書き写していた。図面は1案件で数十ページある。

PoC を一度やり直した

最初の検証では、抜き出した一部のファイルで方式を試した。入力が少なく、正解のデータも自分たちで作ったものだったので、その数字を信じてよいとは言えなかった。そこで最初からやり直した。

二回目は、受け取った図面をすべて機械的に棚卸しするところから始めた。すると、スキャンした画像だけの案件が実際にあり、「すべてベクタ形式の PDF」という最初の前提が崩れることが分かった。

生成 AI に、正確さを求めない

図面全体に効く一つのルールを探すのをやめた。生成 AI には部屋の輪郭を大まかになぞらせ、数十センチずれてもよいことにした。正確な座標と面積は、プログラムが図面のベクタの線に吸着させて出す。AI が判断するのは「どの壁か」で、正確な位置は図面のデータが持っている、という分担だ。

本番の仕組みでは、部屋の名前の候補を確かめ、選んだ部屋の輪郭と床面積を確かめ、保存したうえで手で直し、Excel に出力する。元の図面の文字と位置を画面で確かめられる。

測り方のほうが難しかった

評価の指標に欠陥を作り込んでは直す、ということを11回繰り返した。うち2回は自分では気づけず、AI に画像を見せたときの指摘で分かった。一度報告した数字が、部屋どうしがくっついて見える誤りを隠していたと分かり、正しい測り方に直して取り下げたこともある。

見直しの工程を足す案も、1ページで試した。時間が約28%、費用が約25%増えたのに、結果は変わらなかった。効かない工程は本番に入れていない。

注記

  1. 本番での精度と、作業時間の削減は、まだ記録がない。
  2. 社名・製品名・図面の案件名は、顧客と元請けの許諾を得るまで伏せている。

よくある質問

全部自動で入力できるのですか?

いいえ。部屋の名前の候補を人が確認し、選んだ部屋の輪郭と面積を確かめて保存する流れです。画像にしか書かれていない値や、あいまいな値は自動で確定しません。

まずはお気軽にご相談ください

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